人物画の表情について(1)

人物画の写真

絵画(人物絵)を観ているとき、「このモデルは、このときどういう感情だったのだろう?」と、その表情からくみとれないものがあります。

その例として、有名な作品で言えば、誰もが知っている、ダ・ビンチの「モナリザ」ですね。
このモナリザの”微笑”は、喜びなのか悲しみなのかはっきりとはわかりません。
人によってまったく異なる意見になることでしょう。

先日のニュース記事で以下のようなものがありました。

http://www.afpbb.com/articles/-/3120972
(モナリザの微笑は「喜び」 長年の謎、科学の力で解決 ~AFP BB NEWS~)

ある実験をしているのですが、
このモナリザに関しては、

”被験者は97%の確率でダビンチの原画を喜びの表情として受け止めたという。『喜びか悲しみのどちらかという点については、曖昧さはなくなった』”

とのことです。
しかし、

”私たちの脳には喜びや悲しみを計る絶対的な尺度はなく、多くは文脈に頼っている”

と、結論づけています。

観る人の印象によって変わる、ということです。

日本の代表的なアーティストである奈良美智さんの描く少女像は、どういう感情をあらわしているのしょうか?

沢山の少女像の作品がありますが、どれも喜びの表情は見出せません。悲しみの感情の方がより近い感情なのでしょうが、完全にそうとも言い切れず、また別の感情も含んでいるように見えます。作品によっては、その表情の裏に、凶暴性が秘められているようなものもあります。

ここで、奈良美智さんに関する記事からのインタビュー記事が参考になります。

「幸福な時は人と一緒にいるのが好きで、絵を描こうという気が起こらないという同氏。自分と対話して、怒りや悲しみなどの感情を吐露したいのは、寂しい時だという。」
http://news.livedoor.com/article/detail/9918670/
(少女の眼差しに変化? 奈良美智氏、香港で個展「無常人生」開催 海外メディア注目 ~ livedoor NEWS ~))

ということは、怒りや悲しみの感情を表しているということでしょう。奈良さんのことばによってそれが裏付けられている感じです。

しかし、絵画(美術)は科学ではないので、答えは一つではないのです。

佐藤忠良氏のことばは改めて、芸術に対する捉え方を教えてくれます。
「・・・好きだとか嫌いだとか、美しいとかかみにくいとか、ものに対して感ずる心があります。だれもが同じに感ずるものではありません。・・・」
http://buzz-netnews.com/SatoChuryo
(子供の頃は苦手だった美術・図画工作の時間の目当てとは? 佐藤忠良の言葉が胸に突き刺さる ~BUZZ-NET~)

モナリザの作品も奈良美智さんの作品も、観る人の印象によって変わるものなのです。

これは美術に限らず、音楽についても言えることです。

それが芸術です。

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