富士の青と色とりどりの木々の鮮やかな対比が美しい。作品の完成までに25もの版を作り、1点1点刷り師と納得いく仕上がりか、作者自らが確認し作られている。刷りは版画工房アルミィが担当。刷り師の園山晴巳は非常に熱意のある人物として知られ、片岡珠子と2人3脚で作品を作り上げている。作者の表現を生かすために様々な試行錯誤が行われ、中には用紙をワインで煮込んで風合いを出したものもある。今作品は本金箔を使い非常に豪華に仕上げられている。片岡球子直筆サインあり。無限の富士の魅力を讃仰する片岡球子の姿勢が覗われる。太く奔放な描線と簡潔な色彩で、生命をダイナミックにうたいあげ、民画・民芸などの表現を積極的に生かす片岡球子の版画作品の定番となった富士の連作。 「富士は雄大無比、厳しく、しかも美しい。全く大変な魅力です。富士は本当に厳しいが、したしみ深い山です。私も富士を描き続ける覚悟です。」(片岡球子画伯談、『三彩』1971年1月号より)
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