

藤田嗣治が1920年代後半から30年代にかけて製作された作品は ”猫十態”と呼ばれ、裸婦シリーズ、少女像と並び 藤田の代表的な銅版画の作品として国際的にも人気が高い。 藤田自身、猫を愛し、常に身近な存在として、少女と猫、猫と自画像と数多くの作品の中に猫を登場させているが、”猫十態”は、あどけなく眠る子猫、愛しげに子猫を抱く母猫、前方を凝視する孤高の猫など様々な猫の姿が、力強く繊細な描線で描かれ、雁皮紙に刷られた作品で、そこには藤田の鋭い観察眼と正確なデッサンによる動きのある表現と平面 的な画面構成という日本の伝統的技法である浮世絵と、西欧の技法の意欲的な融合が試みられている。
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