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STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ

天災なのか人災なのかよく分からないコロナ禍の中でも決して萎縮することなく、現在、六本木の森美術館では、元気に、「世界が認める現代アートのトップランナー6名その初期作品と最新作をつないで見せる」と題して、草間彌生、李禹煥、宮島達男、村上 隆、奈良美智、杉本博司の展覧会が開催されています(2020.7.31(金)~ 2021.1.3(日))。

展示内容は、「凄い」の一言です。「見どころ」として紹介されているように、「超大物アーティストが一堂に会する、壮観かつ圧巻の展覧会」です。もちろん一人一人のアーティストだけでも「凄い」のですが、「各々の展示空間に並置して展示」して、いわば並べて見せてくれていることによって、また新たな、「うわあ凄い」感じが生まれます。

 

 

ぶらぶら見て歩くだけでも、アメリカのマーケットで成功した村上隆(はじめが村上の部屋です。大きな人形にビックリ。肩が凝らずはいりこみやすい。赤鬼のような「阿像」や青鬼のような「吽像」は「スーパーフラット」なのかなあ。)とドイツ文化の背景をもつ奈良美智(親しみやすさと神聖さ、無邪気さと残酷さなど、一見相反する性格を共存させ、観るものの想像力を刺激します。奈良の描く「こども」を「賢くて、意地悪で、不幸せである」と評した文書が大文字で紹介されていました。)を比べたり、日本の自然の中にこれほど美しい場所があったのかと思わせてくれる杉本博司の「江之浦測候所」を巡る無声映像詩に見とれたり、李禹煥って哲学者だったんだ、やっぱりねえと納得したり(李の部屋にはいると、とても静謐な感じです。)、水の中にたくさんのデジタルカウンターを沈めて「海」を表す宮島達男(デジタルアートですが懐かしい感じがしました。参加型プロジェクトで、「時の海・東北」を表しているそうです。)に考えさせられたり、草間彌生って誰とも違うんだねと改めて感心したり(草間は、真面目に絵画に向き合ってるなあ。精神性が高い、グイッとひきつけるものがあります。)などなど。

主催者のいうように「2020年、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより世界は一変し、経済的、社会的構造の脆弱性が浮き彫りになっています。そのような状況下、この6人のトップランナーたちの実践は、美術の本質的な役割とは何か、アーティストの成功とは何か、目指す「世界」とはどこなのか、といった根源的な問いを喚起するとともに、コロナ後の世界への示唆に富んだ力強いメッセージとなることでしょう。」
この言葉は、大げさではないと思います。

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